CATEGORY : 現場レポート DATE : 2020年12月2日
令和2年3月に着工した、本事業の民設施設の軸組が現れました。
この事業の概要です。
1.事業の目的
旧高宮貝島家住宅の歴史的な価値や貴重な樹林地を保全し、未来
に継承するとともに,市民に親しまれる都市公園として、また観
光資源として来街者も日本文化が体験できる、もてなしや交流の
場として整備し、管理運営する。 (事業主 福岡市)
2.整備・管理運営の手法
官民連携事業(PPP)の手法による整備・管理運営
(コンソーシアム 代表 ポジティブドリームパーソンズ
九州建設、都市造園の3社で構成)
3.事業のスキーム
複数の構成員で組織された事業者が、公募型プロポーザル方式で決定、業務を行う構成員と福岡市とそれぞれ契約等を締結。
詳細は
4.旧貝島家住宅の概要
・炭鉱経営で麻生家、安川家とともに「筑豊御三家」の一つとされ
た貝島家。
・旧高宮貝島家住宅は1915年、貝島鉱業を興した貝島太助氏の
弟嘉蔵氏の邸宅として直方市に建設。
・1927年に現在地に移築された。
・戦後GHQに接収され,敷地内に新館が建てられた。
・1960年代頃から1980年代前半頃母屋はアメリカ合衆国領
事公邸、新館は福岡アメリカン・センター(在福岡アメリカ領
事館広報部)館長公邸。
・敷地内の樹林地には,貝島炭鉱と関係の深かった明治の元勲、
井上馨や伊藤博文ゆかりの碑も残されている。
・貝島家への返還後、1990年に母屋の一部であった茶室を現
在地に移築。
・2005年に福岡市に寄付された。
5.福岡市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例の制定
・福岡市は,歴史的価値を有していても建築基準法の緩和を受け
られない建築物について、防火や避難等の安全性を個別に検証
した上で同法の適用を緩和し、増築や用途変更等の建築行為を
可能とすることで、歴史 的建築物を将来にわたって良好な状態
で保存・活用する福岡市歴史的建築物の保存及び活用に関する
条例を制定。
・旧貝島家住宅は2017年6月1日、福岡市文化財保護条例第
35 条の規定に基づき、文化財としての価値に鑑み保存及び活用
のための措置が特に必要とされるものとして、福岡市登録文化
財として登録。
・登録の理由は、「市内において有数の近代和風建築であり、一
部が解体されたとはいえ、規模が他に例を見ないこと」、「筑
豊の石炭産業全盛時の歴史を伝える貴重な建造物であり、九州
北部の炭鉱経営者の住宅と比較しても遜色ない価値を有するこ
と」です。
6.民設施設の設置及び管理運営について
・構成員は、レストランやカフェ、バンケット機能等を備えた民設
施設を事業者自らの費用負担及び責任の上で設置。
(結婚式場、飲食)
・本事業の事業期間は、事業実施協定の締結日から、公共施設及び
民設施設の管理運営期間が満了し、原状復旧の完了後、保証金の
清算が完了するまでの期間。当初の管理運営期間は 10 年間と
し、その後,事業者が本事業を継続することを希望する場合,更
新に係る諸手続きを経た上で、5~10 年の範囲内で事業を継続す
ることが可能。
7.事業スケジュール(予定)
・公募要綱等の公表 2018年3月 29 日
・優先交渉権者の決定 2018年8月下旬
・事業協定の締結 2018年9月下旬
・提案に基づく設計協議・諸手続き事業協定の締結から2018 年
12月頃
・事業実施協定の締結 2019年4月下旬
・建設工事等 2019年4月下旬~→2020年3月
・開園(供用開始) 2021年4月頃→現在着工が遅れ開演時期も遅れる予定。
石橋・ヴー・チェ